山田那美 かきとめる -四日市展- 終了いたしました。

2026年1月11日

2026年最初の2Fギャラリーたねでの展示は山田那美さんによる個展を会期致します。

今回の展示、山田那美さんの「かきとめる-四日市展-」は、山田さんが初めて、ボールペンを使い書き上げた、(描き上げたよりも、書き上げたが近い気がします)1枚のセーターから始まります。小学校1年生のときに、神戸の淡路大震災にあい、彼女が思い起こす風景には、刻々と変化していく神戸の街があり、その変化していく中で、記憶と時間について考えるようになったと話しておられます。

彼女のテーマは時間の可視化であり、単にボールペンで書いた、細かな模様ではなく、その編み模様を書く時間を1時間書き続ける、1週間書き続けることで、そこにある編み模様は目には見えない、「時間」という概念そのものが、紙の上に現れ、姿を見せ始めます。

モールス信号で書かれたレコードは回転し始めると、彼女の記憶、そして誰かの記録を鳴らし始め、その不確かな記憶をたどるように回り続けます。

その時を、その瞬間を残したい、記憶しておきたいとひとは思いながらも、過去の記憶は曖昧になり、その姿は緻密に変化していき、気が付いたときには、別の新しい今を作り出していることもある。そんな曖昧で不確かな時間を、彼女の作品を見ていると感じます。

モールス信号の「ツー・トン・ツー・トントン」という言葉を音にした、あの信号音があなたの耳にも聴こえるかもしれません。静かにその音を、想像しながら、カセットテープのカーテンの前に立つと、誰かがいつか記録した、遠い記憶が目の前に現れてくるかもしれません。

山田那美 個展
「かきとめる」

1月12日 – 1月28日
10時 – 17時
日曜 休館
入場料 300 yen
三重県四日市市山田町1901-1
おやまだ文化の森 本館2F ギャラリーたね

1月12日 作家在廊

@tomomiyamadajp

私は主に“時間”をテーマに制作しています。
時間を視覚化するにあたって、手間の視覚化を目指して
“小さい単位で単純作業を繰り返す”という手法を多く用いています。これは「“手間”は“時間”に置き換えられるのでは」という考えと「小さなことの積み重ねが物事の輪郭をつくる」という考えに由来します。“時間”に形はありませんし、留めておくこともできません。経過してしまった時間は何らかの方法で意図的に残さなければ実感を得ることは難しいように思います。だから練り上げた自分の考えを、考え続けた時間の質量を、忘れないようかきとめておきたいと思うのです。
今展は過去の総集編のような内容になっています。
時間というものを、どのように解釈し、形にしてきたのかをご覧いただければと思います。